2015年3月24日火曜日

医学系図書館員におすすめメールマガジン3つ

現在自分・職場が購読している医学系メールマガジンの中で、真面目に読んでいる順に3つだけ紹介。

1. 医学書くらぶ http://www.mag2.com/m/0000033887.html

新潟市にある書店・考古堂書店が運営している医学書の新刊を紹介。
特定の出版社が発行するメルマガを複数購読するより、こちらを購読した方が効率的に新刊の情報は収集できる。

2. 『週刊医学界新聞』メール配信サービス http://www.igaku-shoin.co.jp/paperMailMag.do

医学書院が発行している同名の新聞の目次とオンライン版へのリンクが貼られているので、紙媒体を読まなくても何となくトピックが分かるので便利。

3. メディックメディア メールニュース(医学生版) http://web-informa.com/

医学生に大人気の「病気がみえる」シリーズをはじめ、「イヤーノート」「クエスチョン・バンク」を出している出版社であるメディックメディアのメルマガ。

2014年11月11日火曜日

7年ぶり2回目の図書館総合展参加まとめ(1) 医書.jp

先週開催された第16回 図書館総合展に参加してきた。7年ぶり(8年ぶりだったか?)2回目の参加。
通常業務が立て込んでいたので、11月7日(金)のフォーラム1つと展示会のみの参加。

フォーラム「医療系日本語電子ブックの本格的な提供開始に向けて」

講演1: 医書.jpに関して (金原俊氏)

電子書籍元年と言われ続けて早数年、ようやく医学系和書の電子ブックのプラットフォームとして期待の「医書.jp」について、取締役の金原俊氏(医学書院)による医書.jpの概要説明。

以下、手書きのメモと記憶から起こしたもの。
  • 医書.jpは来年秋サービス開始(来春から延びた)
  • スタート時の想定規模、個人顧客数:2万人、施設顧客数:100施設、掲載書籍数:2000冊程度、掲載雑誌数:50誌40万論文
  • 収録対象は、「全ての医学書」。具体的には日本医書出版協会の「医学書総目録」と同等の範囲。プロ向け。
  • 形式は、フィックス型(PDF)とリフロー型(XHTML)、どちらにすべきか検討中。
  • 個人向けと施設向けを想定
  • 施設向けはIP認証。同時アクセスは無制限。価格はFTE
  • 個人向けはID/Pass認証。図書1冊、雑誌は1号・1論文・1タイトル単位で購入可能。
  • 医中誌Webから検索可能にする予定
  • 「新刊の100%を冊子・電子の同時提供を目指します」

なお、当日の資料は後日ウェブで公開予定とのこと。

個人的な感想としては、これまでの和書のEブックサイトでは、結局医学系図書館で導入したい!導入しなきゃ!と思われるようなコンテンツの収録が少なかったので、専門の出版者が医中誌ともタッグを組んで本腰を入れてくれたことにまず期待。現実問題として「新刊書100%」という言葉をそのまま鵜呑みにはできないけれど、そう明言してくれたことは評価したい。

一番のポイントは、医中誌Webとの連携。
これまでの国内の大学向けeブックプラットフォームは、そのeブックプラットフォームないしOPACやディスカバリからでなければアクセスできないという点で、海外のeブックに比べて最初のアクセスへのハードルが非常に高く、導入してもなかなか利用されないのが悩みだったので、医中誌Webからも検索できれば国内の医療従事者の情報探索行動の中に医書.jpがシームレスに参入できるので、利用へのハードルはかなり低いことが想像できて、非常に良い。

メディカルオンラインでも電子書籍コンテンツの個人向け販売が始まり、現在複数の大学等で機関向けのトライアルが行われているのだが、メディカルオンライン(MOL)も検索データベースとして一定の利用があるようなので(個人的にはMOLはコンテンツが偏っているので文献検索には向いていないと考えているが)、MOLの利用者が文献などのコンテンツと同じようにeブックを利用できるというのは大きな利点だと思われる。

翻って医書.jpの場合。医中誌WebはMOLよりも圧倒的に国内で契約機関が多いので、医中誌Webから個人で購入ないし機関でアクセスできるようになれば、利用する側も便利だし、提供する側もあまり広報しなくても使ってもらえそう。

来秋ということで、実際どういうものになるのかまだ検討もつかないけれど、続報を待ちます。


今回はこれくらいで。

(2014年11月14日追記)
日本薬学図書館協議会のHPで当日の資料が公開されていました。
http://www.yakutokyo.jp/news/2014/11/14/69

2014年9月23日火曜日

第16回図書館総合展、気になるフォーラムを羅列しておく

第16回図書館総合展の詳細が公開された。今年は休暇を取って1日くらいは参加しようと考えている。そこで、自分のメモも兼ねて面白そうなフォーラムを時系列にピックアップしてみた。
どれか1つは行きたい。

なお、ブログ主は各フォーラムとは基本的に関係ありません。フォーラム名および総合展ウェブサイトの内容説明から得た情報を元に選んでいます。


2014年11月5日(水) 


10:00-11:30

日本版ヨーロピアナに向けての大学・図書館の役割(第6会場(アネックスホール206)

ヨーロピアナハーティトラストのようなデジタルアーカイブの総合プラットフォームは国内にも欲しいと考えているので、気になる。


13:00-14:30

ペリー来航160年記念特別対談会「日米交流の幕開け、ペリー来航と日米和親条約」(第3会場(アネックスホール203)

タイトルが反則すぎます。ペリー来航と言われたら歴史好きは釣られてしまう。


13:00-17:00

図書館 素敵にディスプレイ(第5会場(アネックスホール205)

メイン対象は学校図書館のようですが、公共・大学図書館も参考になりそう。


2014年11月6日(木)


13:00-14:30

オープンフォーラム:組織に貢献する図書館サービスとは?

公共・学校・大学と館種に限らず、図書館の存在異議に疑問を投げかけられるようなことがたくさん起こっているので、こういうフォーラムはいいですね。

13:00-17:00

キハラ(株)100周年記念フォーラム(第4会場(アネックスホール204)

2部ぶち抜き。
13:00~14:30第一部「戦後の図書館を支えた人々」
15:30~17:00第二部「図書館の永続的発展に向けて」だそうで、特に第一部が気になってます。


2014年11月7日(金)


10:00-11:30

医療系日本語電子ブックの本格的な提供開始に向けて(第5会場(アネックスホール205)

電子書籍元年と言われ続けて早数年。和書の電子書籍の中でも特に動きの鈍かった医療系コンテンツについてのフォーラム。

15:30-17:00

今こそ始めよう、郷土資料のデジタル公開(第5会場(アネックスホール205)

5日のフォーラムにも共通するテーマかと思いますが、こちらは単一の図書館で導入しているシステムの事例について。

15:30-17:00

自分の価値を高めませんか?(第6会場(アネックスホール206)

専門図書館協議会主催。キャリア形成や認定資格に関するフォーラムは今回他にも複数あるけれど、他のフォーラムは研究者向けだったり雇用する側が対象のようだったので、あえて1つ選んでみました。

おまけ アクティブラーニング関係

大学図書館における学習支援・アクティブラーニング関係のフォーラムは今年も複数あったので、タイトルだけ列記しておく。

2014年8月24日日曜日

最近読んだ本

戦争と栄養. 長尾五一著. 西田書店 1994.12

http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN12177104

「戦時栄養失調症」についての本。先の大戦での日本軍の戦地での栄養状況がいかにひどかったか、詳しくまとめられている。

軍医殿!腹をやられました : インパール作戦ビルマ敗走記. 中野信夫著. かもがわ出版 2014.1 かもがわブックレット 195

http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB14608938

こちらは実際の戦地での体験を書いたもの。ビルマからの撤退における凄惨な状況を淡々と書いている。

脚気の歴史 : 日本人の創造性をめぐる闘い. 板倉聖宣著. 仮説社 2013.11 やまねこブックレット 3

http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB15999386

幕末から明治にかけて、脚気の治療・予防に対して軍医・医学界の上層部がおかした醜態を。

2014年5月9日金曜日

医学教育分野別評価基準日本版 【正式版】の図書館に関する記述

 2013年7月30日付けで日本医学教育学会医学教育分野別評価基準策定委員会から発表された、世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード準拠医学教育分野別評価基準日本版 【正式版】Basic Medical Education: Japanese Specifications
WFME Global Standards for Quality Improvement
( http://jsme.umin.ac.jp/ann/jmse_an_130730_WFME.html )の存在を今頃知ったので、医学図書館が関係しそうな記述を抜き出してみた。

6. 教育資源

6.1 施設・設備

基本的水準:
医科大学・医学部は
 教職員と学生のために十分な施設・設備を整えて、カリキュラムが適切に実施され
ることを保証しなければならない(B 6.1.1)
 教職員、学生、患者とその介護者にとって安全な学習環境を確保しなければならな
い(B 6.1.2)

質的向上のための水準:
医科大学・医学部は
 教育実践の発展に合わせて施設・設備を定期的に更新、修繕または拡張すること
で、学習環境を改善すべきである(Q 6.1.1)

注釈:
 [施設・設備]には、講堂、教室、グループ学習およびチュートリアル室、教育および研
究用実習室、臨床技能訓練室、事務室、図書室、IT施設のほか、十分な勉強スペー
ス、ラウンジ、交通機関、ケータリング、学生住宅、臨時宿泊所、個人用ロッカー、ス
ポーツ施設、レクリエーション施設などの学生用施設が含まれる。
 [安全な学習環境]には、必要な情報の提供と有害物質、試料、有機体からの保護、
検査室の安全規則と安全設備が含まれる。
学習環境の整備のための施設の中で、図書室が挙げられている。質的向上のための水準では、定期的に更新、修繕または拡張により改善していくことも書いている。

6.3 情報通信技術 

基本的水準: 
医科大学・医学部は 
 教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し履
行しなければならない(B 6.3.1) 

質的向上のための水準: 
医科大学・医学部は 
 教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである 
 自己学習(Q 6.3.1) 
 情報へのアクセス(Q 6.3.2) 
 患者の管理(Q 6.3.3) 
 健康管理業務(Q 6.3.4) 
 担当患者のデータと健康管理情報システムへの学生アクセスを最適化すべきであ
る(Q 6.3.5) 

注釈: 
 [情報通信技術の有効利用に関する方針]には、コンピュータ、内外のネットワーク、
およびその他の手段の利用の検討も含まれる。これには、図書館の蔵書や機関の
IT サービスへのアクセスも含まれる。また、この方針には、学習管理システムを介す
るすべての教育アイテムへの共通アクセスも含まれる。情報通信技術は、専門職生
涯学習(continuing professional development:CPD)/生涯医学教育(continuing 
medical education:CME)を通して、EBM(科学的根拠に基づく医学)と生涯学習の準
備を学生にさせるのに役立つ。
ここでいう「図書館の蔵書」は、図書館内にある紙媒体の資料そのものではなく、書誌データと電子資料のことだと思われる。

 8.4 管理職と運営  基本的水準: 医科大学・医学部は  以下のことを行うのに適した管理職および専門職を配置しなければならない。  教育プログラムと関連の活動を支援する(B 8.4.1)  適切な運営と資源の配分を確実に実施する(B 8.4.2)  質的向上のための水準: 医科大学・医学部は  定期的な点検を含む管理運営の質保証のための内部プログラムを作成し履行すべきである。(Q 8.4.1)  注釈:  [管理職]とは、方針決定と方針ならびに計画の履行を支援する管理運営組織の地位にある者で、運営上の組織的構造によって異なるが―学部長室、事務局の責任者、スタッフ、財政の責任者、予算および財務局のスタッフ、入試事務局の役員およびスタッフ、プランニング、人材、IT の各部門の責任者およびスタッフが含まれる。  [運営]とは、組織の方針およびプログラムの方針の執行に主に関わる規則および構造を意味し、これには経済的、組織的な活動、すなわち医科大学内の資源の実際の配分と使用が含まれる。組織およびプログラムの方針の履行は、使命、カリキュラム、入学許可、教員募集、および外部との関係に関する方針と計画を実行に移すことを含む。  [管理職の適切性]とは、資格に応じた規模と構成を意味する。  [質保証のためのプログラム]には、改善の必要性の検討と運営のチェックが含まれる。 
具体的に図書室に関する記述はないのだが、「教育プログラムと関連の活動を支援する」というのはガイダンスや参考調査業務に、「資源の配分を確実に実施する」というのは資料の受入れや電子ジャーナルの契約業務に相当すると考えられる。


つまり、施設・資料・人材という図書館における3要素について、この評価基準でも挙げられていると考えられる。

2014年2月3日月曜日

LibGuidesの管理画面でのカスタマイズ: ADMIN STUFF

LibGuidesのカスタマイズ続き。
「ADMIN STUFF」について。直訳すると「管理者のもの」。


「ADMIN STUFF」は、画面表示の全体的な設定ができる「Customize」と、ユーザーの追加などができる「Manage」に分かれる。

それぞれ、詳しく見ていきます。まずはCustomizeから。

System Settings

自館のLibGuidesの名前や機関名やホームページの登録。検索サイトの設定もここで。

Look & Feel

画面上部のバナー、cssや全体のスタイルの設定。
「Language Options」ではGuideに表示される言語が変更できる。日本語はすでに対応しているが、たまに変な訳になっている部分もあるのでその辺りの変更もここで。

Subject Categories

各ガイドにつけられるSubject=主題、分野の設定。あんまりいじってないです。

Mobile Settings

Mobileバージョンの設定。ここもあんまりいじってないです。

Groups

LibGuides CMS機能の設定。ここは全然。


最低限「System Settings」「Look & Feel」はカスタマイズしておくとよさそうです。デフォルトデザインからかなり脱却できます。

今日はここまで。

2014年1月29日水曜日

LibGuidesの管理画面でのカスタマイズについて

LibGuidesを職場で試験的に運用中。

コンテンツ(Guide)の追加方法などは、九州大学によるLibGuidesのガイドが詳しいのだけど、画面デザインなんかのカスタマイズに関して日本語のリソースがあまりなさそうなので、メモ。

まず、管理画面(DASHBOARD)の画面は全て英語表記。辛い。

ログインすると、上のメニューに7つの項目が出てくる(画像参照)。ざっくり解説してみます。


  • GUIDES
    LibGuidesにおけるメインコンテンツである、Guidesを追加したり、編集する。
  • STATISTICS
    統計。アクセスログが見られる。
  • TOOLS
    まだよく分かってません。APIとかRSS関係っぽい。
  • MODULES
    ここもよく分からず。
  • ADMIN STUFF
    画面のカスタマイズやユーザーの追加などはこちら。
  • SPRING TO
    LibGuidesのコミュニティサイトや、制作会社springshareによる他のサービスへのリンク。
  • HELP
    充実したオンラインヘルプが見られる。もちろん全て英語。
おそらく、GUIDESとADMIN STUFFだけ使いこなすことができれば最低限のものは作れそう。