2014年11月11日火曜日

7年ぶり2回目の図書館総合展参加まとめ(1) 医書.jp

先週開催された第16回 図書館総合展に参加してきた。7年ぶり(8年ぶりだったか?)2回目の参加。
通常業務が立て込んでいたので、11月7日(金)のフォーラム1つと展示会のみの参加。

フォーラム「医療系日本語電子ブックの本格的な提供開始に向けて」

講演1: 医書.jpに関して (金原俊氏)

電子書籍元年と言われ続けて早数年、ようやく医学系和書の電子ブックのプラットフォームとして期待の「医書.jp」について、取締役の金原俊氏(医学書院)による医書.jpの概要説明。

以下、手書きのメモと記憶から起こしたもの。
  • 医書.jpは来年秋サービス開始(来春から延びた)
  • スタート時の想定規模、個人顧客数:2万人、施設顧客数:100施設、掲載書籍数:2000冊程度、掲載雑誌数:50誌40万論文
  • 収録対象は、「全ての医学書」。具体的には日本医書出版協会の「医学書総目録」と同等の範囲。プロ向け。
  • 形式は、フィックス型(PDF)とリフロー型(XHTML)、どちらにすべきか検討中。
  • 個人向けと施設向けを想定
  • 施設向けはIP認証。同時アクセスは無制限。価格はFTE
  • 個人向けはID/Pass認証。図書1冊、雑誌は1号・1論文・1タイトル単位で購入可能。
  • 医中誌Webから検索可能にする予定
  • 「新刊の100%を冊子・電子の同時提供を目指します」

なお、当日の資料は後日ウェブで公開予定とのこと。

個人的な感想としては、これまでの和書のEブックサイトでは、結局医学系図書館で導入したい!導入しなきゃ!と思われるようなコンテンツの収録が少なかったので、専門の出版者が医中誌ともタッグを組んで本腰を入れてくれたことにまず期待。現実問題として「新刊書100%」という言葉をそのまま鵜呑みにはできないけれど、そう明言してくれたことは評価したい。

一番のポイントは、医中誌Webとの連携。
これまでの国内の大学向けeブックプラットフォームは、そのeブックプラットフォームないしOPACやディスカバリからでなければアクセスできないという点で、海外のeブックに比べて最初のアクセスへのハードルが非常に高く、導入してもなかなか利用されないのが悩みだったので、医中誌Webからも検索できれば国内の医療従事者の情報探索行動の中に医書.jpがシームレスに参入できるので、利用へのハードルはかなり低いことが想像できて、非常に良い。

メディカルオンラインでも電子書籍コンテンツの個人向け販売が始まり、現在複数の大学等で機関向けのトライアルが行われているのだが、メディカルオンライン(MOL)も検索データベースとして一定の利用があるようなので(個人的にはMOLはコンテンツが偏っているので文献検索には向いていないと考えているが)、MOLの利用者が文献などのコンテンツと同じようにeブックを利用できるというのは大きな利点だと思われる。

翻って医書.jpの場合。医中誌WebはMOLよりも圧倒的に国内で契約機関が多いので、医中誌Webから個人で購入ないし機関でアクセスできるようになれば、利用する側も便利だし、提供する側もあまり広報しなくても使ってもらえそう。

来秋ということで、実際どういうものになるのかまだ検討もつかないけれど、続報を待ちます。


今回はこれくらいで。

(2014年11月14日追記)
日本薬学図書館協議会のHPで当日の資料が公開されていました。
http://www.yakutokyo.jp/news/2014/11/14/69

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