2013年12月15日日曜日

「医学図書館」掲載のCMBの援助に関する文献

http://mobydickanchor.blogspot.jp/2013/05/china-medical-boardcmb.html の続き。

J-STAGE掲載の「医学図書館」からCMB関係のキーワードで本文検索をしてヒットした文献のまとめ。

検索式は以下のとおり。ヒットした文献は33件、内3件はChina Medical Boardとは関係がなかったため、除外。
全文: CMB OR
全文: china medical board OR
全文: チャイナメディカルボード OR
全文: チャイナ メディカル ボード
CMB関係の部分のみ全てに目を通して、おおまかに内容別・年代順に並べた。

図書館の建築・改装

東大、京大、慶応、北里、阪大中之島、神戸医大、九大、札幌医科大、長崎大。
10の東邦大は寄付の申請をしたものの、「”貴国の国運は隆盛で, もはや外国より援助を受ける立場ではないように思 う”という主旨であった。」と謝絶された。

  1.  今井 義訓, 谷口 真弓, 浅野 次郎, 江崎 正, 山川 幸雄. 新改築図書館の検討(上). 医学図書館. 10(1-2)p.: 1963
  2. 木田橋 喜代慎. VI.札幌医科大学付属図書館. 医学図書館. 10(4)p.77-84: 1963
  3. 名島 仙次郎. 長崎大学医学部図書館. 医学図書館. 10(6)p.175-178: 1963
  4. 関口 昌樹. 文献スクリーニング (1). 医学図書館. 11(1)p.23-38: 1964
  5. 入江 昭彦, 伊達 恭子, 中院 武夫. 京都大学医学図書館について. 医学図書館. 14(4)p.327-333: 1967
  6. 向井 茂. 図書館建築のプランニングから完成まで. 医学図書館. 14(4)p.305-313: 1967
  7. 古沢 賢一, 酒谷 美穂. 医学図書館における視聴覚機材. 医学図書館. 20(1)p.27-32: 1973
  8. 緒方 富雄. 日本医学図書館協会の50年とわたくし. 医学図書館. 29(1)p.29-35: 1982
  9. 西嶋 武. 九州大学附属図書館医学分館の新築計画について. 医学図書館. 29(3)p.227-231: 1982
  10. 井上 英新. 移転, 新築, 再移転. 医学図書館. 29(3)p.232-245: 1982 ※
  11. 堀江 幸司, 山根 京. 『医学洋書本総合目録』の誕生. 医学図書館. 32(3)p.272-281: 1985
  12. . 5TH International Congerss on Medical Librarianship III. 医学図書館. 32(Supplement)p.102-118: 1985
  13. 野口 迪子. 私の図書館つれづれ (1). 医学図書館. 38(2)p.160-166: 1991
  14. 今村 慶之助. 私の図書館人生. 医学図書館. 38(3)p.305-311: 1991
  15. 野口 迪子. 私の図書館つれづれ (2) 1996年代十字路から. 医学図書館. 39(2)p.188-195: 1992
  16. 綾部 輝幸. 東京大学医学図書館の最近. 医学図書館. 41(4)p.368-370: 1994

資料寄贈

図書や学術雑誌の寄贈に関して。6,7は資料ではなくエレファックスの寄贈も受けたという記載(阪大中之島)。
  1. 日本医学図書館協会第30回総会議事解説速報. 医学図書館. 6(6)p.6-13: 1959
  2. 浅野 次郎. 地区活動. 医学図書館. 13(2)p.123-125: 1966
  3. 菅 修一, 近藤 輝明, 小川 晋平, 田中 藤雄, 五十嵐 一郎, 中野 文子, 沖 道雄, 茂幾 周治, 藤田 弘, 吉田 眞理子, 北谷 和章, 池川 敏, 鈴木 孝明, 小西 昌史, 青木 裕子, 橋本 輝昭, 吉岡 陽子, 小汀 政徳, 前田 元也, 吉冨 啓子, 小堀 玲子. 特集「近畿地区特集」. 医学図書館. 42(2)p.145-203: 1995
  4. 小澤 ゆかり. 初期の「医学図書館」掲載記事から. 医学図書館. 47(4)p.394-400: 2000
  5. 中里 竜瑛. 回顧夢想の閑却. 医学図書館. 4(4)p.243-246: 1957
  6. 田中 久文. 大阪地区の雑誌目次速報. 医学図書館. 11(1)p.47-49: 1964
  7. 谷田 功. 一般事務用機器について. 医学図書館. 20(1)p.40: 1973

奨学生

1-4は奨学生としてアメリカの医学図書館に研修に行った図書館員によるもの。5は、CMBからの援助による韓国からの研修生を慶応が受け入れたというもの。
  1. 福留 孝夫. アメリカにおける医学図書館の動き. 医学図書館. 13(4)p.233-238: 1966
  2. 今村 慶之助. 米国における図書館業務の機械化について. 医学図書館. 16(2)p.103-111: 1969
  3. 吉本 瑞応. これからの医学図書館員研究集会. 医学図書館. 19(4)p.359-365: 1972
  4. 福留 孝夫. 第2回国際医学図書館会議と私. 医学図書館. 31(4)p.418-419: 1984
  5. 天野 善雄. 日本医学図書館協会の国際的活動. 医学図書館. 39(4)p.416-419: 1992

そのほか

  1. 関口 昌樹. パーキンズ女史を囲んで. 医学図書館. 8(5)p.88-91: 1961
  2. Thomas E. Keys, 今村 慶之助. 近代医学図書館サーヴィスと国際協力. 医学図書館. 9(1)p.6-7: 1962


ちなみにこのリストを作成するにあたり、J-STAGEを検索したのだけど、書誌データを一括でダウンロードできなかったのでテキストをエクセルにコピペして編集、整理した。

2013年11月10日日曜日

CiNiiBooksの記念ロゴ比較

いつもお世話になっているCiNiiBooksが2周年ということで、ロゴが特別仕様になってました。


ちなみに去年のバージョンはこちら。
こんなこともあろうかと保存しておいたのです。



来年はどうなるんでしょーねえ。

2013年5月20日月曜日

[メモ]China Medical Board(CMB)と日本の医学図書館

China Medical Board(CMB)と日本の医学図書館に関するメモ。

公式サイト: http://www.chinamedicalboard.org/

http://www.chinamedicalboard.org/centennial
1914年設立。

Wikipedia(英語): http://en.wikipedia.org/wiki/China_Medical_Board

Annual Report(AA0060392X) http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA0060392X
国内では九大、慶応義塾、東北大、新潟大に所蔵あり。

東大医学図書館との関係

それまで各教室に分散していた東京大学医学図書館(1961年11月3日開館)の建設にあたり、China Medical Boardから寄付があった。

寄付の条件
  • それが独立の建物であって, 医学部の建物の占めている区域の中心的な位置にあること
  • 図書は教室員, 医局員はもとより, 医学生にも開放されること 
  • 授業時間が終った後 まで十分の時間使用できること
  • 建物のまわりになにほどかの庭園風の場所をめぐらすこと
( 緒方 富雄, 日本医学図書館協会の50年とわたくし, (1982), 医学図書館  29 (1), p. 29-35
http://dx.doi.org/10.7142/igakutoshokan.29.29 より)

Sapporo Medical College Libraryへの図書の寄贈

CiNii Booksで以下の図書を発見。発行年は1959-1963年の間。小樽商科大、北海道大図書館所蔵あり。

List of books donated by the China Medical Board of New York, Inc.
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51711316

Sapporo Medical Collegeは現在の札幌医科大学のことだと思われる。



少なくともCMBは1960年前後に日本の医学図書館に対しての寄付事業を行っていた様子。
以下の図書に詳しく載っていそうなのだけど、日本で所蔵している図書館はなさそう。


The China Medical Board : 50 years of programs, partnerships, and progress, 1950-2000
著者: Laurie Norris; China Medical Board of New York.
出版: New York : China Medical Board of New York, Inc., ©2003.

http://www.worldcat.org/title/china-medical-board-50-years-of-programs-partnerships-and-progress-1950-2000/oclc/53235688&referer=brief_results

2013年5月11日土曜日

H25年度参加(したい)図書館系イベント

既に参加が確定しているものと、参加したいもの。
今年は九州・沖縄地区でのイベントが多い。

2013年5月6日月曜日

戦前の図書館における資料の疎開に関して


資料の疎開についてちまちまと調査してはいるのだけど、片手間なので進んでいない。
そんな中、以下の図書を借りてみた。

図書館の近代 : 私論・図書館はこうして大きくなった
東條文規著
ポット出版 1999.3
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA40808380
http://books.google.co.jp/books?id=x-A3GnWstlkC&hl=ja&source=gbs_navlinks_s

上記図書のp88-92からメモ。

  • 1942年10月 文部省宗教局「国宝史蹟等ノ防護ニ関スル件」
  • 1943年9月 中田邦造, 文献の防護対策, 図書館雑誌 1943.9、鵜沢忠, 空襲下に文化を護るものは誰か, 図書館雑誌 1943.9
  • 東京都立日比谷図書館、疎開先調査を開始
  • 1944年 巻頭言 図書館の疎開進む, 図書館雑誌 37(4) 1944.5-6
同書に「典籍護持」という言葉が使用されているのだけれど、あまり見慣れない言葉。和漢古書を保存しようという意味でいいのだろうけれど、他の資料での使われ方が気になる。

2013年5月4日土曜日

Activities of the Medical Libraries in Kyushu.医学図書館 38(3), 223-259, 1991

CiNii Articlesで検索していたら、表題の論文に遭遇。
山田 勉 , 末次 美知夫 , 有吉 元司 , 奥井 年 , 小柳 賢徳 , 朝倉 一 , 与那城 洋子 , 山田 芳郎 , 喜多 芳明
Activities of the Medical Libraries in Kyushu
医学図書館 38(3), 223-259, 1991
http://ci.nii.ac.jp/naid/130002021059
てっきり共著なのかと思ったのだが、J-STAGEの本文を見てみたら特集記事だった。
山田 勉, 末次 美知夫1), 有吉 元司2), 奥井 年3), 小柳 賢徳4), 朝倉 一5), 与那城 洋子6), 山田 芳郎7), 喜多 芳明8), 九州大学附属図書館医学分館
特集「九州地区の医学図書館活動」
医学図書館 Vol. 38 (1991) No. 3 P 223-259
1) 大分医科大学附属図書館 2) 福岡大学図書館医学部分館 3) 久留米大学医学図書館 4) 福岡歯科大学図書館 5) 九州大学附属図書館医学分館 6) 沖縄県立中部病院内ハワイ大学事務所 7) 熊本大学附属図書館医学部分館 8) 長崎大学附属図書館医学分館
http://dx.doi.org/10.7142/igakutoshokan.38.223
個人的に個々の書誌情報がなかなか興味深かったのでメモ。
  • 山田 勉.沖縄の医学図書館.p223-229 
  • 末次 美知夫.CD-ROM利用の現状と問題点.p230-237 
  • 有吉 元司,奥井 年,小柳 賢徳,朝倉 一.九州地区医学図書館協議会の活動と今後:これからの医学図書館員の資質及び図書館のあり方を模索する.p238-244 
  • 与那城 洋子.沖縄県立中部病院内ハワイ大学事務所図書室の設立の経緯と現状.p245-249
  • 山田芳郎.肥後医育記念館について.p250-252 
  • 喜多芳明.長崎医学資料めぐり.p253-256 
  • 九州大学附属図書館医学分館.古医書紹介.p257-259
どうもJ-STAGEから採ってるっぽいCiNii Articlesのデータでちょこちょこ変なのを見かける。
J-STAGEは国内の学術文献をかなり収録しているのできちんとCiNiiで書誌情報が取れないと困るんだけどなあ。

2013年4月29日月曜日

山崎茂明著, 医学文献サーチガイド, 日本医書出版協会, 1993.1で2013年でも参考になる部分とそうでない部分


20年前に出版された表題の図書を読んでみました。
CiNii Booksリンク http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN08652667

20年前というと、Windows95も登場しておらず、wwwも普及していないので当然Google先生もPubMedも医中誌Webもない時代。
そんな時代に医学学術情報をどうやって収集していけばいいのかという本ですが、今読んでも古くない箇所もあり、非常に参考になったので紹介。

目次 
Part I 環境としての情報
1章 医学文献の世界 ☆☆ 
Part II 情報の探し方
2章 文献調査をどのようにはじめるか ☆☆
3章 CD-ROMを用いた文献調査
4章 Index Medicus ☆
5章 医学中央雑誌
6章 Excerpta Medica
7章 医学関連領域の主要な二次情報源
8章 引用索引のおもしろさ:Science Citation Index ☆
9章 オンライン検索
10章 癌領域の最新情報 
Part III 学術雑誌へのアプローチ
11章 医学雑誌の歴史と生態 ☆☆
12章 主要な総合医学雑誌 ☆
13章 レビュー論文の重要性 ☆☆
14章 レフェリーシステムの役割 ☆☆
15章 JCR(Journal Citation Index)を利用した学術雑誌の評価 ☆

Part IV 情報資源へのアクセス
16章 資源としての図書館情報センター ☆
17章 役に立つレファレンスブック
18章 参考文献のスタイルと整理 ☆☆

全18章のうち、今でも使える部分に☆~☆☆をつけてみました。
まあまあという感じでしょうか。
個別の情報源の使い方に関する記述はさすがに今の時代でも使える部分は少ないのですが、自分のような冊子体目録やCD-ROMでの検索を全く経験していない世代の人間は知識として知っておくと、ガイダンスなどでの話がしやすくなるんじゃないかと思います。


ただ、☆をつけている「4章 Index Medicus」、「8章 引用索引のおもしろさ:Science Citation Index」、「15章 JCR(Journal Citation Index)を利用した学術雑誌の評価」についてはオンライン化された現在の検索システム(Index Medicusは今で言うとPubMedに相当)でも掲載されているデータ自体はあまり変わっていないようです(SCIについては勤務校で契約していないので確実なことは言えませんが)ので、

  • なぜこのデータベースが重要なのか
  • データの見方、活用方法

については十分今でも通用します。


あと面白かったのは「12章 主要な総合医学雑誌」p127で挙げられているIFの高い総合医学雑誌。20年経っても6誌のうち5誌は変わらず。
JCR2011を調べてとp127の順位を比べてみました。()内が「医学文献サーチガイド」の順番。
1(1) NEW ENGL J MED(0028-4793)
2(2) LANCET(0140-6736)
3(4) JAMA-J AM MED ASSOC(0098-7484)
4(3) ANN INTERN MED(0003-4819)
5(-) PLOS MED(1549-1277)
6(5) BRIT MED J(0959-535X)


13(6) AM J MED(0002-9343)
5位のPLOS MEDは2004年創刊のオープンアクセスジャーナル。まだ発行されて10年も経っていないのにすごい。
PLOS medicine: http://www.plosmedicine.org/

どれがメジャーな雑誌かということは、専門家には自明のことなのでしょうけど、図書館員はほとんどが医学分野は門外漢なのでこういう基本的なことが分かる図書は良いですね。

もちろん、「時間がないのでとりあえず検索の方法だけ知りたい!」という人にはおススメしない。